はるな檸檬『ダルちゃん』

 今回読んだのはこちらの作品~~~

 

hanatsubaki.shiseidogroup.jp

 

いつもとは趣向を変えて、web漫画です。

少し前にTwitterで話題になっていて、すぐには読めない!と思いブックマークしていたのを思い出して一気読みしました。全52話。

 

主人公は24歳の派遣社員、丸山成美。

……というのは仮の姿で、その本当の姿はダルダル星人のダル山ダル美です。

 

ダルダル星人ってなんぞや、って感じだと思います。

ダルダル星人っていうのは、見た目がスライムみたいな人間というか、身体がダルダルしてる感じの、メタモンみたいなのを想像してもらえたら正解です。

ダルちゃん曰く、みんな人間に擬態しているだけでダルダル星人はその辺にいるんだそう。

 

そんなダルちゃんが、「普通の女性」に擬態して仕事をして、人と関わって、恋をして云々……というストーリーです。

 

 

いや~~~~もうね、頭悪いから振り返ると??ってなってしまって。

たぶんめちゃくちゃ乱暴に解説すると、「自分らしさ」について言及した作品だと思うんです。

 

「普通の女性」にこだわって、そこからはみ出すことをひどく恐れる主人公や、それを見てもっと自分を大切にしろと苦言を呈す職場の女性や、身体障がいを持っていることにコンプレックスを抱く恋人、ダルダル星人であることを隠そうとしない男性……。

などなど、登場人物は様々です。

 

ダルちゃんはダルダル星人だから、それがばれないように、周りの女の人がどうやって生きているのかをよく観察して、それを真似しながら擬態の完成度を上げていきます。

その擬態は、例えば朝シャワーを浴びて髪を洗ったり、ドライヤーで髪を乾かしたり、メイクをしたりという身の回りのことから、女性は男性の話を黙って聞いて同調するとか、失礼なことを言われても笑って受け流すとかいう身の振り方のことまで、あれもこれもと大変そう。

 

けれど、「周りと違う」こと、それ故に他人から疎まれることが何よりも怖いダルちゃんは、必死で擬態をします。

 

そんな日々の中でダルちゃんが心の中でぽつりとこぼす一言、

…モノマネしすぎて 時々 自分が本当は何を考えているのか わからなくなる時があるなぁ

 

っていうのが、個人的にめちゃくちゃ刺さってしまって、うってなりました。

 

いや別に中二病とかではなくって、私自身がすごく人の目を気にしてしまうというところでダルちゃんに共感をしたんですよね。

 

人当たりが良いとか、八方美人とか言われるけど、別にそうしたいわけじゃなくてただ人に嫌われるのが極端に怖いというか、できることなら人から良く思われたいみたいな、そういう安っぽい見栄?じゃないけど、なんかそういうやつ……こじらせてる……。

自分の素直な気持ちとか口や態度でありのままさらけ出したら、誰も私のこと好いてくれなくない?!?みたいな。

相手がどんな対応を期待してるのかなあって顔色伺って、へらへらしてしまうというか、そういうのが生きづらくもあり、生き易くもありって感じで。

 

 

だから、ダルちゃんの気持ちめっちゃわかるし、他の堂々としたダルダル星人に出会って憧れつつもやっぱり自分はそうなれないのも、めっちゃわかる。

 

 

そんなこんなで「自分らしさ」の大切さを描いた(と私は思っている)この作品、他にも恋人との関係とか、性差別的なこととか、いろいろと考えさせられることがあった気がします。

 

こういう作品だから、最後はやっぱり本来の自分が好き!ってなってダルちゃんがダルダル星人の姿で社会に溶け込むエンドだと思うじゃないですか。

 

でもそうじゃないんですよね。

 

ダルちゃんは、自分らしくあること(具体的に言うとダルダル星人であることを隠さないこと)の素晴らしさに気が付きながら、「普通」に擬態している自分もいいかも、って思うようになって、人間の姿で生きることを選ぶんです。

さっきちらっと言ったけど、それはやっぱり人目が怖いっていう消極的な理由もあるかもしれません。

だけど、そういうとこをひっくるめて自分を受け入れられることが良いなって思いました。

 

 

ちなみにこの漫画、2018年12月に書籍化するそうです。おめでとうございます!

それに伴って、webでの公開は2018年10月31日までだそうなので、よかったらぜひ。

第一話のリンク↓

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語彙力と文章力がなさすぎて毎回薄っぺらい感想になっちゃって悔しい!!

あと太字とか斜体とかその他諸々の機能全然活用できてない!悲しい!!

精進します。